加代次の心

加代次が日々思ったことを書き連ねます

池上彰氏、3年前にも起こしていた「降板騒動」その真相は……

池上彰氏といえば現在マスコミでは時の人です。朝日新聞の連載を降りるとか降りないとか話題になっていますね。でも池上彰氏の降板騒動というのは、今回が初めてではないですよね。

3年前にも、ジャーナリストとして活動に専念するという理由で、3月いっぱいで全てのテレビ・ラジオ番組の出演を休止すると発表して話題になったことがありました。

テレビは使い捨てとわかっていながらも、お呼びがかかるうちはついつい出てしまうのがこれまでの人気者のパターンだったから、ニーズがあってもスパッと撤退宣言した池上彰氏に対しては、その真意を詮索する記事が各媒体に見られました。

中でも興味深かったのが、当事者に取材をしている「東京スポーツ」(2011年1月22日付)でした。何と、あの細木数子氏のダメ出しに池上彰氏が怒ってテレビと決別してしまったという記事です。

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東京スポーツ」(2011年1月22日付)より

同紙によると、昨年秋に放送されたTBS系のバラエティ番組『爆!爆!爆笑問題 大同窓会!伝説の人気番組からアノ大スター続々登場SP』で、2年半ぶりにテレビ復帰を果たした細木数子氏が池上彰氏にこうコメントしました。

「最初の頃はとても良かった。しかし、最近は忙しすぎて散漫になった感じ」「いいんでしょうか、あの番組。ニュース解説をやるならもう少しお勉強して言われたほうがいい。番組をやるなら知識・見識、胆識学を修めないとダメ。知識は情報だから誰でも得られる。見識は自分が旅に出て、見聞を広められる。そして自分の言葉でしゃべったり行動したりする。(池上さんは)何かをお読みになった感じ。自分が自分を通してない」

「胆識」というのは、細木数子氏と結婚騒動を起こした安岡正篤氏の十八番的な物言いで、「決断力・実行力を持った知識あるいは見識」のこと。

ジャーナリストを名乗るのなら、現場に出て得られた見聞で話しなさい、ということらしいのです。

ジャーナリストがテレビ出演に忙しくなり、出演番組の発言を、あり合わせの情報や知識で賄ってしまうことは池上彰氏に限らずあり得ることです。

細木数子氏は、他の占い師がそうであるように、一般論をさも個別の課題であるかのように述べたに過ぎないのですが、池上彰氏にとっては「痛い所をつかれた」とでも思ったのか、細木数子氏の発言自体を「言論の自由」と認めながらも、以降プライドを傷つけられて(?)TBSの番組には出演しなくなってしまいました。

同紙では、細木数子氏の一件が池上彰氏にとってTBSのみならずテレビ界全体への失望となり、それが今回の番組降板につながったと指摘。

その件で池上彰氏に直撃インタビューも行い、「(TBSに対して池上氏に)“特別な感情”があったことを暗に認めた」と述べています。

ーこの件がきっかけでTBSの番組出演をすべて断った。

池上 (言葉を絞り出すように)ええ、それは……。たくさん、テレビ出演のオファーがある中で、わざわざTBSの番組を選ばなかったということです。

なるほど。確かに、わざわざ選ばなかった、という言い方に含むところを感じます。

ちなみに、同紙は細木数子氏にも電話インタビューを行っていますが、「率直に思ったことを言っただけですよ。叱咤激励というか、あの時期、池上さんは出ずっぱりで、かなり擦り減っていらしたから、もったいないなと思いましたので」「池上さん本人に対して、嫌いとか特別な感情はないですよ。率直に思ったことをアドバイスしたということです」と、“善意のアドバイス”であることを強調しています。

まあ、池上彰氏ご本人が「TBSの番組を選ばなかった」と明言している以上、今回の東スポの指摘は少なくとも荒唐無稽な妄想とはいえません。

いずれにしても、池上彰氏には、「擦り減ってい」ない「言論の自由」を見せていただきたいと感じてしまう記事です。

あれから3年経ちましたが、やはり今回のトラブルについても、朝日新聞に「擦り減ってい」ない「言論の自由」を見せていただきたいと同じことを述べたくなってしまうものです。